まちとしょテラソ

 「まちとしょテラソ」は、長野県小布施町立図書館のことです。「テラソ」は「世の中を照らそう」「世界を照らそう」の「照らそう」からつけられたそうです。小布施は人口10,000人ちょっとの小さな町で、「テラソ」が出来たのは2009年、比較的新しい図書館です。
 しかし2011年には「Library of the Year」大賞を、2012年には「第28回日本図書館協会建築賞」を受賞しました。さらに、トリップアドバイザーの「死ぬまでに行ってみたい世界の図書館15」に選ばれました。日本では「京都国際マンガミュージアム」と小布施町立図書館だけです。
 「Library of the Year」の選考理由は、「『交流と創造を楽しむ文化の拠点』として、各種イベントの実施や地元の方100人のインタビューの電子書籍化を行うなど、小布施文化や地域活性化の拠点としての活動を進めている点が今後の地域の公共図書館の在り方の参考となる点が評価されました。」とある。
 「死ぬまでに行ってみたい世界の図書館15」では、「長野県内でもっとも面積の小さい自治体にあるこの図書館は、地域活性化と地元コミュニティーの確立に大きく貢献。『本を貸し出す業務』だけにとどまらず、ワークショップやイベントも多く開催されている。」と注釈がある。
 図書館は、長野電鉄の小布施駅から徒歩2分ほどにあり、小布施町役場や小学校と隣接する場所です。開架書庫で約4万冊、閉架書庫で約4万冊の合計8万冊の蔵書数を備えた小さな図書館です。
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 小布施町立図書館は、図書館設置率がまだ全国的にも非常に低い大正12年に、長野県で9番目の図書館として開館しました。小布施の文化意識が、如何に高いかを物語っています。
 新図書館建設は他の自治体同様、老朽化・狭い・不便などの理由でしょう。なにしろ、長野県で唯一コンピュータ化されていない町立図書館だったのですから。
 いろんな賞を受賞している小布施図書館、素晴らしいのでしょう、一度行ってみたいものです。そして、私が素晴らしいと思ったことが、もう一つあります。新図書館建設の過程です。
 図書館の建設は、1991年の第3次小布施町総合計画において、移転計画の検討が始まり、公募された町民らによる「図書館づくりの会」や「図書館のあり方検討会」などにおける議論を経て、2007年に新しい町立図書館の最終的な基本構想がまとめられたそうです。その基本構想案の中に、「敷地選定の留意点」と云うものがあります。
 1、情報や交流の場は、立寄り型の性格を持つため役場や
   公民館、駅、また学校の近くなど、日常的に利用す
   る施設の近隣。
 2、少子高齢化社会を考慮し、なるべく多くの町民が徒歩
   での負担が少な く集まれる位置。
 3、「図書館のあり方検討会」の最有力候補地。
 4、町の所有する土地であるため、用地手配が不要。

 基本構想案の意見交換会には、公募された30名の町民が占めている。さらに、設計は公募型プロポーザルを行い、全国から166の応募があり、公開プレゼンテーションを開催して決めたとある。
 市民の声を聞かず、駅より遠い民有地を取得して建てられる図書館が、どこかにあるそうですが、小布施とは雲泥の差です。これも文化意識の低さのせいでしょうか。

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コメント

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私役所
世界には、ユニークな図書館があるもんですね。
なかなか、いい情報紹介ですが、小布施は何で選ばれたのでしょうかね。
栗和菓子で有名です。長野に帰ったら寄ってみたいです。

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